【LBS】日本最長の宿場町 空き家活用で再生へ

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2026年07月08日
「ローカル発、ニッポンの底力」をテーマにTXNネットワークの ローカル5局と日本経済新聞社が、知られざる経済の現場を連携取材し、毎週、地域の持ち回りで放送していきます。

名古屋から車で約3時間弱、長野県塩尻市にある観光名所といえば、日本最長の宿場町奈良井宿です。奈良井宿は、人気の観光地ですが、人口流出が進み空き家問題が深刻化しています。その対策を取材しました。

長野県塩尻市にあるJR奈良井駅。駅を降りるとそこは、江戸時代から栄えた奈良井宿。旧中山道沿いに南北約1km続く日本最長の宿場町です。

国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定され、当時の街並みが大切に保存されています。年間51万人も観光客が訪れ、その8割が欧米を中心とした外国人。サムライ・トレイルとして知られています。

アメリカからの観光客:
「日本の文化がこの街を大切に守り続けていることに感謝している。この街を本来の姿で維持するのは容易ではない。本当に美しいと思う」

外国人に人気の奈良井ですが、空き家の増加が問題に。人口流出が進み、この保存地区では320軒のうち約70軒が空き家だと言います。

奈良井区 小嶋正則区長:
「このお宅の人は東京の方に出て空き家になっている。『手放したい、なんとかしたい』と話している」

一方で、交通の便の良さは弱点でもあります。客の多くは日帰りで滞在時間が短く、お金が落ちにくいのです。厳しい保存ルールで新規参入が難しいのも課題でした。

奈良井の課題を解決するために作られたのが「BYAKU Narai」です。200年以上続いた造り酒屋が廃業。その建物を宿泊施設として再生させました。竹中工務店や塩尻市など官民が連携して生まれました。

奈良井まちやど 鈴木賢治社長:
「フロントはカウンターを含め、当時の酒造店の姿をほとんど残しています。調度品(ディスプレイ)も昔使われていたものです」

保存地区の建物を改修する場合、市への届け出、協議が必要で厳しく制限されているのですが、ここはそれを逆手に取り、日本の伝統を味わえる高級宿泊施設として打ち出したのです。

奈良井まちやど 鈴木社長:
「レストランもあります。もともと酒蔵だった場所をレストランにしています。隣接する『杉の森酒造(suginomori brewery)』では、現在も日本酒が醸造されています」

BYAKU Naraiは奈良井宿を堪能できる高級宿泊施設として、国内外から年間約7000人が訪れます。料理は地元の食材にこだわり、器も名産の木曽漆器を使い奈良井をアピールします。

奈良井まちやど 鈴木社長:
「地域の宝をお預かりし、それを客様にしっかりと提供・説明している。その結果としてお客様が奈良井のファンになっていただくことにより、例えば漆器屋さんでお買い物をしていただければ地域にお金が回ると思う」

宿泊客が増えれば滞在時間が延びて食事、買い物の機会も増加。「立ち寄る」から「泊まる」街へと変化が見え始めました。

日本経済新聞 臼井優衣記者:
「観光客増加とともに宿泊需要も増え、開業希望者も急増している。新規参入者が歴史的町並みを守るルールを認識しないまま改装を行う。奈良井区では共通のガイドラインを配布しようとしている」

奈良井区 小嶋区長:
「移住のためのお試し住宅、観光地なのでお試し店舗などを準備し、全ての空き家がなくなるようにそんな取り組みをしていきたい」