「ニュース」食料品消費税 来年4月から1%方針 日本経済・消費者への影響は

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2026年07月30日 ▼
食料品の消費税減税をめぐり、高市総理大臣が来年4月から2年間、税率を1%に引き下げ、あわせて中低所得の人への給付を行い実質ゼロとする方針を表明しました。
消費税率の引き下げで消費者・市場への影響や経済界の受け止めをまとめました。
記事の後半にはQ&A解説も掲載しています。
消費者に身近な食料品などの価格を見てみますと、多くの品目で値上げの動きが相次いでいます。
中東情勢の影響を受けたインクやフィルムなどの包装資材のコストアップやエネルギー・物流費の上昇などを価格転嫁する動きが出ているとみられ、円安による輸入コストの上昇なども影響している可能性があります。
食料品の消費税率の引き下げは、こうした物価高が続く中での消費者の負担軽減や個人消費の下支えなどの効果が期待されます。
一方、これまでの国民会議の議論の中では小売りの業界団体などから「減税分ほど税込み価格が下がらない可能性がある」という指摘も出されています。
小売店としては、原価が上昇し、適正な価格転嫁が必要な状況であることに加え、レジのシステム改修などのコストもかかるため、店頭での価格は期待されているほど下がらないのではないかという見方です。
物価研究の専門家からも「リーマンショックやコロナ禍でヨーロッパの国々が消費税にあたる付加価値税の税率を引き下げた際、価格へ反映される度合いは引き下げ幅の半分程度だった。日本の場合も企業ヒアリングするなどして本当に価格が下がるのかを丁寧に確かめるべき」という意見が聞かれました。
さらに、諸外国の事例を見ると、一時的に減税した場合減税時の価格低下は限定的で、税率を戻した際の価格上昇の方が大きい傾向が見られたという指摘も出ています。
また「外食産業」への影響も懸念されています。
弁当やテイクアウトなどの税率が1%になる一方、店で食べる「外食」は10%のままのため、飲食店の客足や売り上げに影響を及ぼすという声が上がっています。
消費税の減税にあたって大きな課題となるのが「財源をどう確保するか」です。
超党派の国民会議で示された「議長案」に沿って、食料品の消費税率を1%とした上で、その1%分について中低所得の勤労者に所得に応じた給付を行うには年間5兆円程度の財源が必要とされています。
これについて、国民会議の中間とりまとめでは「赤字国債に頼らず、たとえば補助金・租税特別措置など、歳出・歳入のあらゆる見直しを通じて確保する」と記されています。
ただ、具体的な検討は来年度の予算編成プロセスの中で行うとしていて、現時点では財源の裏付けは明確にはなっていません。
さらに、これまでの国民会議の実務者会議の議論では、減税を2年間実施したあとを見据えた指摘も出ています。
2年後に税率を8%に戻す際には実質的に増税となることから、個人消費や景気の動向に影響を与える可能性もあり、本当に税率を戻せるのかという声があがっています。
消費税の税収は国の最大の支出項目である年金・医療などの「社会保障費」を支える重要な財源となっています。
財政に対する市場の信認を確保するためにも、減税の実施にあたっては、必要となる財源の明確化や財政規律を維持するための具体策が求められることになります。
今回の消費税率の引き下げをめぐっては、議論の過程で経済界からも発言が相次ぎました。
経団連の筒井会長は7月9日、大阪で行った記者会見で「社会保障制度の持続可能性や市場の信認確保の観点から、消費税減税に際しては、代替財源の明示、明確化が大前提だ。市場の信認確保に努力している旨を政府が粘り強くかつ継続的に発信していくことが必要不可欠だ」と述べ、政府に対し、財源の裏付けを明確にするよう求めました。
また、日本商工会議所の小林会頭は、7月15日の記者会見で、消費者に対応する小売業などの業種からは事務的な手間が非常にかかるといった切実な声があがっていると紹介しました。
そのうえで、原材料価格や労務費などのコストアップにより商品の値上げが必要なタイミングで消費税減税が実施されるため、事業者としては値上げと減税が相殺されて消費者の反感をかってしまうことを一番避けたいと考えていると訴えました。
7月に入って債券市場では国債を売る動きが強まり、長期金利の代表的な指標である10年ものの国債の利回りが上昇する場面がありました。
7月3日には一時、2.81%まで上昇し、さらに7月9日には一時、2.9%まで上昇。
日本相互証券によりますと、1996年11月以来、29年8か月ぶりの高い水準となりました。
長期金利が上昇した背景について、市場関係者からは中東情勢への懸念や日銀の利上げが遅れてインフレが加速することへの警戒感などさまざまな見方が出ていますが、この中の1つに国の財政状況に対する懸念があります。
市場関係者からは「食料品の消費税減税の議論が進む一方、成長戦略で370兆円を超える規模の官民での投資計画が示されたことで財源をどう手当てするのかといった懸念が広がったことも影響したのではないか」という声が聞かれました。
国民会議の実務者会議が行った市場関係者のヒアリングでも「財源の裏付けがあいまいなまま消費税の減税が進むと中長期的な財政改善の道筋が見えにくくなり、債券市場で金利が上昇するおそれがある」という指摘が出ていて、財政に対する信認という観点からも今後の財源確保をめぐる議論に注目が集まりそうです。
消費税の税率が引き下げられれば1989年に導入されて以来、初めてのことになります。
消費税は安定した税収を確保できる一方、国民生活に大きく影響することから、長く議論が行われてきました。
1979年、当時の大平内閣が「一般消費税」構想を打ち出します。
背景には、オイルショックなどを受けて税収の伸びが低下する中、社会保障費などが膨らみ、国の財政赤字が拡大したことがありました。
しかし、強い反発を受けて当時の大平総理大臣は1979年9月、「一般消費税」構想を撤回します。
1987年には、中曽根内閣が「売上税」という名称で国会に法案を提出しますが、廃案となります。
1988年7月、竹下内閣が消費税法案を国会に提出。
12月に可決・成立し、翌年の1989年4月に消費税が税率3%で導入されました。
1997年4月には、橋本内閣のもとで税率が5%に引き上げられます。
2012年、野田内閣が進めた「社会保障と税の一体改革」にともない、消費税率を2段階で引き上げるとして、2014年に5%から8%に翌年の2015年に10%に引き上げる方針が決まりました。
これにあわせて、税収の使いみちについて、原則、社会保障の費用にあてることなどが消費税法に明記されます。
このあと、第2次安倍内閣のもとで2014年4月に予定どおり税率は8%に引き上げられましたが、個人消費の落ち込みなどを踏まえ、10%への引き上げは2度、延期されました。
そして2019年10月、税率は現在の10%に引き上げられました。
この際、食料品などを対象に税率を8%に「据え置く」軽減税率があわせて導入されましたが、消費税の導入以来、税率の「引き下げ」は実施されていません。
Q.今回の消費税減税、消費者にはどのような影響がありますか?減税分、価格は下がるのでしょうか?
消費者に身近な食料品などの価格を見てみますと、多くの品目で値上げの動きが相次いでいます。
中東情勢の影響を受けてインクやフィルムなどの包装資材のコストアップやエネルギー・物流費の上昇などを価格転嫁する動きが出ているとみられ、円安も影響している可能性があります。
食料品の消費税率の引き下げは、こうした物価高が続く中での消費者の負担軽減や個人消費の下支えなどの効果が期待されます。
ただ、小売りの業界団体などからは「減税分ほどは税込み価格が下がらない可能性がある」という声も挙がっています。
小売店としては、原価が上昇して、適正な価格転嫁が必要な状況であることに加え、レジのシステム改修などのコストもかかることから、消費者が目にする店頭での価格は期待されているほど下がらないのではないかという見方です。
また、海外の事例を見ると、一時的に減税した場合、減税した時の価格の低下は限定的で、税率を戻した時の価格の上昇の方が大きい傾向が見られたという指摘も出ています。
Q.減税の財源はどう確保するのでしょうか?財政にはどう影響するのでしょうか?
食料品の消費税率を1%とした上で、その1%分について、中低所得の人に所得に応じた給付を行うには年間5兆円程度の財源が必要とされています。
これについて、国民会議の中間とりまとめでは「赤字国債に頼らず、たとえば補助金・租税特別措置など、歳出・歳入のあらゆる見直しを通じて確保する」と記されています。
ただ、具体的な検討は、来年度の予算編成プロセスの中で行うとしていて、現時点では財源の裏付けは明確にはなっていません。
また、減税開始から2年後に税率を8%に戻す際、個人消費や景気の動向に影響を与える可能性もあり、本当に税率を戻せるのかという声もあがっています。
消費税は、国の現在の最大の支出項目である年金・医療などの社会保障費を支える重要な財源となっています。
財政に対する市場の信認を確保するためにも、減税の実施にあたっては、必要となる財源の明確化や財政規律を維持するための具体策が求められることになります。

情報源: NHK NEWS WEB
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015190741000
本動画は要約・音声読み上げによる非公式のニュース紹介です。

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